投稿日:2024.11.01 最終更新日:2024.11.01
株式会社と合同会社の違い
株式会社と合同会社は、日本における主要な会社形態の一種で、それぞれ異なる特徴や運営スタイルを持っています。以下に、主な違いについて解説します。
1. 設立の目的・規模
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株式会社(かぶしきがいしゃ)
利益の追求を目的とし、株主から資金を集めるために設立されることが多いです。規模の大きい企業から中小企業まで幅広く存在し、社会的信用も比較的高いとされています。 -
合同会社(ごうどうがいしゃ)
小規模な事業やスタートアップ企業に向いており、設立が比較的容易です。共同経営者が対等の立場で経営に参加する形式が多く、柔軟な運営が可能です。有名な例では、Amazon JapanやApple Japanなどの外資系企業の日本法人が合同会社の形態を選択しています。
2. 設立コストと手続き
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株式会社
設立時の登録免許税は15万円以上で、費用も合同会社より高めです。設立には公証人による定款認証が必要です。 -
合同会社
設立時の登録免許税は6万円と比較的安価で、定款の認証も不要です。そのため、株式会社に比べて低コストで設立できます。
設立費用の比較表
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
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登録免許税 | 15万円 | 6万円 |
定款印紙代 | 4万円(電子定款なら0円) | 4万円(電子定款なら0円) |
定款認証手数料 | 5万円 | なし(0円) |
定款謄本手数料 | 約2,000円 | なし(0円) |
3. 意思決定の方法と権限
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株式会社
株式会社は、出資額に応じた議決権が株主に割り当てられ、株主総会を通して意思決定が行われます。一般的には経営者(取締役)と出資者(株主)を分けて管理する形式ですが、中小企業では株主と代表取締役が同一人物であることも多いです。このような場合、オーナー経営者によるトップダウン方式で迅速な意思決定が可能です。 -
合同会社
合同会社では、出資者(社員)が直接経営に携わり、重要な決定も社員全員の合意(定款で過半数決議も可)で行います。出資額に関係なく、社員一人につき1票の議決権が与えられます。
4. 出資と責任
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株式会社
株式の発行により資金を調達し、株主の責任は出資額の範囲内に限定されます。株主は会社が抱える負債に対して個人的な責任を負いません。 -
合同会社
合同会社の社員(出資者)も同様に、出資額を超える責任を負いません。ただし、社員全員が経営に直接関与するため、信頼関係が非常に重要です。
5. 利益の分配
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株式会社
利益は配当として株主に分配され、分配は出資割合に応じて行われます。 -
合同会社
出資割合に関係なく、社員全員で自由に利益分配の方法を決定できます。出資額以外の貢献も反映しやすく、柔軟な配分が可能です。
6. 税制
株式会社と合同会社は、いずれも法人税法に基づいて同じ税制が適用されます。